赤ちゃんの大きさを測るのは、子宮内発育遅延を見つけるためです。 おなかの中の赤ちゃんは生活環境が悪くなると、動物の冬眠のように発育を止めます。さらに環境が悪くなると、生命の危険もあり得ます。発育遅延を見つけたら、入院など重点管理を行います。
(※関連のページ:なぜ胎児診断を行うのか)
現在の未熟児医療は非常に進歩し、生まれた時の体重が750gあれば、90%以上の障害なき生存を確保する事ができます。
入院をして、胎児の健康状態を胎児の心拍数のモニタや胎児血流計測を使って毎日確認をします。
もし、生命の危険があれば、分娩をさせて未熟児医療にバトンタッチです。胎児の体重を推定する方法は、頭の大きさと、お腹周り、大腿骨の長さから、統計学的に体重を推定します。
この胎児体重の計算式は千葉のグループが大阪大学で研究を行っている時に開発した方法がもとになっています。
当時、豊中市の稲遺跡で古代人の足の骨が出土しました。その足の骨の長さから、身長を推定すると、けっこう背の高い人で身長170cmぐらいとありました。
胎児の体重を推定する研究を行っていた千葉らのグループはこのアイデアに飛びつきました。胎児の大腿の長さを測るようになったのはここからはじまりました。