4月、栂池へ向かいます。7歳の孫ケイキと息子のトミーはスーパーあずさに乗って東京からやってきました。豊科の駅前のホテルで合流。このホテルの踏切を挟んだ前には天狗屋大石という居酒屋があります。馬刺とラーメンがうまい。午前2時まで、若者たちでたいへん盛況です。豊科は午後8時に仕事が終わってから大阪を出発して12時過ぎに到着してもチェックインが出来る事からすっかり常連になりました。東京から列車でも20:00新宿発のあずさに乗って到着可能。天狗屋大石で一杯飲んで熟睡です。
さて翌日、宿は栂池ヒュッテにとってあります。7歳のケイキがどこまで登れるのか判りませんが、無理をしないところまで行って引き返そうと思っていました。まず一日目、足慣らしです。春の雪はけっこう固いので、アイゼンで上る事にしました。子供用スキー靴のケイキには、大人用の4本爪の簡易アイゼンを試しました。驚いたことにぴったりと決まりました。私のザックの両側には子供スキーを結びつけ、自分のスキーはひもをつけて引っ張っていく事にします。実はこの引っ張るやり方は初めて試したのですが、これがなかなか軽快な事はあとで知る事になりました。これがこんなに軽快ならば、シールは新雪でしかいらないようです。
成城小屋から尾根筋を上りきり視界が開けるあたりで、最初に36歳のトミーがあごを出しました。年齢的には一番元気なはずですが、ゼーゼーと肩を動かしていました。一番こき使われる年齢です。彼の業界はソフトウェアー。おそらくタバコにどっぷり浸かり徹夜を繰り返していたのでしょう。今日はここまでと、お茶を沸かしてから引き返しました。
さて、次の日朝5時に起床。6時に栂池ヒュッテを出発しました。弁当に握り飯を作ってもらっています。宿泊のための荷物を成城小屋の前にボッカして登りはじめます。一泊だけですから、私のお泊まり用お荷物は歯ブラシ一本だけですが、トミー君はそうは行かず、お泊まり用のスウェットを持っていました。昔、テントでパジャマとどでかいトランジスターラジオを出した友人の事を思い出しました。昨日より調子良く登っていきます。ケイキも次第にコツをつかんでいきました。ケイキ用に小股でステップを刻んでやると、ぴったりと私についてきました。
天狗原で、休憩。おにぎりとします。食後、社にお参り。さて、ケイキはどうするだろうと思いながら、「ケイキどうする、上まで行くかい」、乗鞍岳の頂上をじーっと見ていたケイキ、「行く!」。少し急斜面、今度はケイキの後ろにつきます。一つ一つ目標を決め、今度はあそこの木の所まで、すこしづつ登っていきました。そして頂上、出発から6時間たっていました。こんな小さな子が登ってきたのかい、周りから賞賛しきり、ケイキはすっかりご機嫌です。
さて、下り。頂上直下の急斜面をケイキは目一杯開いたボーゲンで降りていきます。春のガサ雪、こんな所でボーゲンで滑るなんて、良くできるなと感心しました。今回の出来事、彼はまたまた自信をつけ幼児から少年になって行きます。2009-05-01