図-4 大動脈のアーチ(ピンクの血流)から逆に流れるブルーの血流が見えます。肺動脈が起始部で閉鎖しているため、動脈管の血流が逆流しています。
3. 胎児の病気が診断されたら
人間は誰でも病気になります。もともと病気を持って生まれてきた人もいます。幸い、今の人類はその病気を治す技術も持っています。胎児も人間である以上、病気にもなり、もともと病気を持っている事もありますが、生まれてからの人と同じように病気を治す事ができます。ごく一部の病気は胎児期に、多くの病気は生まれてから、また胎児である事をやめて、さっさと生まれてしまえば治る病気もあります。だから、胎児の病気を見つける事は大切な事です。それにより、たとえ病気の胎児であっても、病気を治してあげるチャンスを作ってあげる事ができます。
※この解説は、千葉喜英が「胎児心疾患の診断と管理」と題し、日本医師会雑誌2004,132巻,685-687 に投稿した内容をお医者さま以外にも理解していただけるよう書き換えたものです。